新郎新婦がウェディングケーキをカット

新郎新婦のウェディングケーキカット風景

人(他の撮影者や動画編集者)のことは知らないから、自分の場合、自分のやり方を
書きます。

撮って出しエンドロールは全て新郎新婦さんのリクエスト次第で作るから、撮影範囲
も違うし、映像に使うBGM(楽曲)も違う。例えば撮影範囲で言うと、挙式(教会式)
だけ、挙式+披露宴前半(乾杯まで)、挙式+披露宴(ケーキカットまで)、挙式+披露
宴(新郎新婦のお色直し退場まで)、挙式+披露宴(新郎新婦のお色直し再入場まで)、
挙式+披露宴(新婦さんのお手紙朗読まで)、挙式+披露宴(新郎新婦さんの両親に対
する花束贈呈まで)。BGMで言うと、3分から5分まで。

完全オーダーメードだからケースバイケースなんだけど。
それじゃ話にならないから、BGM は4分、撮影範囲はケーキカットまでと仮定した場合
で説明しますね。

挙式(教会式)そのものは短ければ20分、長ければ30分くらい。
通常は儀式が終わって、その後フラワーシャワー(式場によって投げるものは色々
あるけど、花びらが一番多い感じ)。このあと、ご親族の集合写真撮影があったり、
披露宴の受け付けが始まったりする。

新郎新婦さんが映像の場から消えたからといって撮影を止めるわけには行かない。
当日エンドロールというのは新郎新婦さんだけが写っていても面白くないから。
新郎新婦さん以外にも、そのご両親であったり、親戚の叔父さん叔母さんであった
り・・・
あるいは友人であったり・・・
こういうところは一般の映画やドラマと全く同じ。
映画やドラマも主役だけで成り立つわけがないから。

スタジオ201の場合は、撮影範囲がケーキカットまでの場合は撮影が全て終わって
から、撮影データをパソコンに転送して、編集作業を始める。

当日撮って出しエンドロールにとって何が大事なのか?何が難しいのか?
それは編集作業に費やすことができる時間。
これが最も大事なこと。
エンドロールの最大使命は披露宴の一番後ろ、お開き直前に上映することに意義が
ある。だから内容的にどんなに素晴らしいものを作ろうが、この上映時刻に間に合
わなければ、作る意味がない。意義がない。

通常、100人以下の披露宴であれば、披露宴時間は2時間15分から2時間30分くらい。
わかりやすいように13時開始の2時間30分披露宴としよう。
13時開始の15時30分お開き。
式場やホテルによって進行は様々と断りを入れた上で。
ケーキカットが13:30。
エンドロール上映は15:20過ぎ。
なぜか式場やホテルは最終チェックと称して15:00までの納品を希望する。
上映時間4分のエンドロールであれば、5分あればチェックできると思うけど・・・

この進行具合から逆算すると、編集作業にかけられる時間が出て来る。
13:30まで撮影して15:00にDVDを納品。
つまり90分しか編集にかける時間がないってことがわかる。
90分もあれば、4分のDVDを作るなんて簡単じゃないの?って思われる方も多いはず。

でもでも詳細に見て行くと、純粋に動画編集にかけられる時間はそう長くはない。
DVDを焼く時間を考えると10分~12分くらいかかる。余裕を見れば、14:45には編集
作業を終えないといけない。
そして撮ったデータをカメラからパソコンに転送する作業が2~3分。
ケーキカットが13:30から始まったとして1分2分では終わらない。
多くの場合、新郎新婦さんのケーキカットが終わっても、今度はファーストバイト
とかいう食べさせ合いのイベントがあったりする。ケーキカットのシーンは披露宴
でのメインのイベントのひとつ。だから1分2分では終わらない。
そうすると撮影が終わり、パソコンにデータの転送作業が終わるのは13:40。
この13:40から14:45の65分間が純粋に編集にかけられる時間となる。

撮影範囲が挙式+披露宴(ケーキカットまで)の場合、撮影ファイル数は150ファイ
ルを超える。1ファイル5秒であったり、30秒であったり、長短様々。
平均10秒とすると、掛ける150で1500秒。つまり25分。
この25分の素材を使って4分(240秒)のエンドロール完成品を作る。

完成品が4分であろうと10分であろうと、撮ったものは全て見ないといけない。
もし100発100中で使えるなら、10秒のファイルなら24本、5秒のファイルなら48本
撮れば、あとはそのファイルをパソコン上で繋げるだけ。結合するだけで編集
作業は終わる。

ところが実際の編集作業では、撮ったファイルのどれが使えるか?どれが使えな
いか?また撮ったファイルのどの部分が使えるのかを見ないとそれがわからない。

動画ファイル、ビデオファイルと言っても、中身は静止画の集まり。1秒間に静止
画30枚(場合によっては24枚)で構成されている。

つまり自分が撮ったもの(ファイル)を確認するだけ、見るだけで25分かかって
しまう。もし1回だけでは足らずに再度見てしまうと50分。
純粋な編集作業に与えられた時間は65分。
単純に5秒の長さのファイルなら、48本繋げて1本の4分間DVDエンドロールを作る。
DVDを焼く作業に入る前には、最低でも1回最初から最後までを見ないといけない。
この作業にも4分のDVDなら4分の見直し時間が要る。

ひとりでカメラマンと編集者を兼任する場合はここまで。
挙式+披露宴(ケーキカットまで)が目安。
これ以上撮影シーンが後ろにずれる場合は、カメラマン+編集者の2人態勢で臨む。
なぜなら撮影シーンが後ろにずれる、撮影範囲が増えるということは、それだけ
編集時間が減ってしまうということ。