結婚式の撮影は写真撮影にしてもビデオ撮影にしても、事故が発生する。

10年ひと昔と言うが、以前は写真撮影はフイルムだったので、現像という化学反応の
処理工程があった。カメラマンの撮影上の不手際やミスがなくても、撮影後の現像工
程での事故があった。

ビデオ撮影はどうかと言うと、写真と違って化学反応の処理工程はなかったものの、
電気的にテープを使っていたので、物理的・機械的・電気的に事故が発生していた。
技術はこの10年で進歩したものの、やはり写真撮影もビデオ撮影も事故が皆無という
訳には行かない。残念ながら・・・
結婚式乾杯準備

結婚式披露宴で乾杯酒を注いでいるシーン

今は写真もビデオもフイルムレス、テープレスのカメラが主流を占める。記録媒体は
SDカードやCFカードが主流。繰り返して使うことができるので、撮影経費としては10
年前よりも割安な感じがする。ただSDカードやCFカードは単なる記録媒体にしか過ぎ
ない。テープやフイルムに代わる材料にしか過ぎない。写真もビデオもパソコンを使っ
て編集作業を経ないと作品や製品にならない。そしてこのパソコンが曲者。

昔は高価なカメラ機材を購入しても、メンテナンスを欠かさず丁寧に使えば10年20年
使うことができた。ところが今はどんなに丁寧にパソコンを扱っても5年持てば良い。
壊れて修理しないといけない、壊れて使えなくなるのではなく、正常に動作していて
も編集ソフトのバージョンアップについて行けなくなった時点で、そのパソコンはお
払い箱となってしまう。

さて、肝心の撮って出しエンドロールの撮影方法に話しを移すと・・・
撮って出しエンドロールと言っても、その撮影範囲は広い。種類が多い。
エンドロールは結婚式披露宴のお開き時に流すのが普通。
もし挙式だけの撮影なら、編集時間はほぼ2時間丸々確保できる。
もし新郎新婦さんのお色直し退場までなら、1時間くらい余裕がある。
もしお色直し後の再入場までなら、それでもまだ30分40分は編集に割く時間がある。
もし新婦さんのご両親に対するお手紙を読み上げるシーンまでなら、10分前後しか
時間がない。

こんな風に撮影範囲を広げて行けば行くほど、長くなれば長くなるほどビデオ編集に
割くことができる時間は短くなって行く。究極は新郎新婦さんがご両親に花束を贈呈
するシーン。ここまで撮影範囲を広げると、編集時間は5分を切って来る。

エンドロールの上映は後に延ばすことができない。何が何でも披露宴のお開き時に
上映しないと、その意味がなくなる。披露宴会場を感動で埋めるはずが、失望と落
胆の場に変わってしまう。ここが撮って出しエンドロールの怖いところ。危ないと
ころ。

パソコンを仕事で使っている人なら、誰もが1度や2度その経験があるかと思う。
写真やビデオの編集ソフト使用時でなくても、ビジネスソフトと言われるワードや
エクセルのを使っている場合であっても、画面が固まる、勝手にソフトが終了して
しまった等の経験があるはず。フリーズとか言われる現象。

このフリーズ現象、いつ発生するかわからないところが怖いところ、危ないところ。
撮影範囲が挙式だけなら、フリーズ現象が発生しても、エンドロール上映には支障
がない。なぜなら時間的な余裕があるから。でも、もしこれが花束贈呈シーンまで
の撮影ならどうなるか?
重大事故発生!となる。

撮影終了から上映まで5分を切るような状況でフリーズしたら、もう間に合わない。
完全アウト!

披露宴会場には予備のノートパソコンを1台持ち込んではいる。
撮影用のカメラを2台3台持ち込んでいるのと同じ。
でも披露宴お開き近くの花束贈呈シーンでパソコンがフリーズしたら、いくら予備
のパソコンを用意していても、もう間に合わない。
だからいつも撮影の神様にお祈りをしている。
どうか最後までパソコンがフリーズしませんように!と